2009年、印象に残った本10冊

昨年に比べると、読んだ本の数は1/3くらいだと思いますが、記録しておこうと思います。

以下、順不同(今年読んだ本で、今年出た本ではありません)。

単純な脳、複雑な「私」

単純な脳、複雑な「私」

単純な脳、複雑な「私」


脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説』とか、『哲学的な何か、あと科学とか』以来の「自由意志なんてものは存在しない問題」に、個人的には一通り終止符を打った。

あと「構造+ゆらぎ=機能」(創発)っていう考え方をはじめて知りました。

心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる』もおもしろかったけど、『単純な脳、複雑な「私」』はずっと物語性が強い。

ここらへんを踏まえて、『思想地図〈vol.3〉特集・アーキテクチャ 』を読むとおもしろい気がしてますが、まだ読んでません。あ、『複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線』も読みかけのままになってるわ。。

夏休みのこと - あいうえおかの日記

心はプログラムできるか


人工知能はプログラミングできそうにないけど、「構造+ゆらぎ」はプログラミングできる、って話。

この次の段階のもうちょっと深堀りした入門書があるとうれしいんだけど、今のところ発見できていない。

抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー

抜擢される人の人脈力  早回しで成長する人のセオリー

抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー


「人脈レイヤー」をらせん状に上がっていくという外資コンサルらしい本で、明快に整理されている。

ビジネス上の人脈とプライベートな人脈っていう切り分けが成り立つのかって考えると、かなり自分が怖くなる本。

今日曽我部恵一バンドを見て感じた衝動と感傷について - あいうえおかの日記

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略


既に潤沢になったものをコントロールしようと気にするのはやめて、次の段階の稀少性に行こう!って本。

デジタル情報をコピーするコストは気にならないほど安いわけで、それをコントロールしようとするのは万有引力に逆らうようなものである。今まで当然のようにお金を払っていたものを無料にして違う部分に付加価値をつける、新しいビジネスモデルが描かれている。

アメリカ人の書くこういう系統の本は、新書慣れしたおれにはどうも冗長で大仰な感じがして苦手なんだけど(たとえば『フラット化する世界』なんかは途中で飽きてしまった)、この本はテンポもよくて一気に読みました。

会社はこれからどうなるのか

会社はこれからどうなるのか

会社はこれからどうなるのか


法人名目説と法人実在説はどっちも成り立つ、っていう本。

そこをベースに、資本主義とか企業で働くっていうことについて、著者の考えを語っている。

貨幣論』もおもしろかったんだけど、この本はとにかくおもしろくて一気に読みました。

おれはAmazonで中古で買って読んだけど、新書も出ているみたいです。

経済の拡大ってどういうこと??【暫定解答編】 - あいうえおかの日記

経済成長って何で必要なんだろう?

経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)

経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)


経済学については本やブログで読むばかりでちゃんと勉強したことがないので、そもそも経済学が前提としていることや、大雑把な歴史を他分野の人との対談で説明してくれる本でおもしろかったです。

個人的には、『経済ってそういうことだったのか会議』よりずっと明快ですっきりしました。

V字回復の経営


ちょうど働き出したころに読んだ小説(?)で、これからビジネスの世界でやっていくんだ!という高揚感を味わいました。

エリートとは「選ばれたもの」というよりも、「集団への責任を自覚した者たち」と解すべきなのだ。

は名言だと思います。

Joel on Software

Joel on Software

Joel on Software


ただ実践的なだけじゃなくて、プロジェクトでソフトウェア開発をする楽しさを感じさせてくれ、プログラマーへの憧れを膨らませてくれた本。

続編の『More Joel on Software』も出ており、そもそもwebでも翻訳がほとんど読めます。

Joel on Software -
Japanese - The Joel on Software Translation Project

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術


忙しくしているわけでもなし、会社のPCからremember the milkにアクセスもできないので、GTDをちゃんと実践しているわけではないです。

ライフハック(笑)と言われる中で、GTDが目指すことはしっくりきました。

Gmail的にメールの受信ボックスを、新規受信(+ToDoでもいいと思う)にするだけで気分が全然違って、これは同期にもかなり布教した。

GTDと『「超」整理法―情報検索と発想の新システム』に書かれている押し出しファイリングを組み合わせると、コントロールすべきことをしっかりコントロールできている感を持てると思います。

伝わる・揺さぶる!文章を書く

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)


「豊かな表現力」っていう曖昧なものさしをゴールにするのではなくて、正直に誠実に自分のことを伝えることで、相手の心を動かす文章がいい文章であるという本。

題名が残念な感じなのがもったいないけど、今まで文章術の本を何冊か読んでも全然しっくりこなかっただけに、この本はうれしかったです。

参照:誤解されずに思いを伝える、ということ - FREE AREA