2009年、印象に残った本10冊
昨年に比べると、読んだ本の数は1/3くらいだと思いますが、記録しておこうと思います。
以下、順不同(今年読んだ本で、今年出た本ではありません)。
単純な脳、複雑な「私」
- 作者: 池谷裕二
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2009/05/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説』とか、『哲学的な何か、あと科学とか』以来の「自由意志なんてものは存在しない問題」に、個人的には一通り終止符を打った。
あと「構造+ゆらぎ=機能」(創発)っていう考え方をはじめて知りました。
『心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる』もおもしろかったけど、『単純な脳、複雑な「私」』はずっと物語性が強い。
ここらへんを踏まえて、『思想地図〈vol.3〉特集・アーキテクチャ 』を読むとおもしろい気がしてますが、まだ読んでません。あ、『複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線』も読みかけのままになってるわ。。
心はプログラムできるか
心はプログラムできるか 人工生命で探る人類最後の謎 (サイエンス・アイ新書 31)
- 作者: 有田隆也
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2007/08/16
- メディア: 新書
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人工知能はプログラミングできそうにないけど、「構造+ゆらぎ」はプログラミングできる、って話。
この次の段階のもうちょっと深堀りした入門書があるとうれしいんだけど、今のところ発見できていない。
抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー
- 作者: 岡島悦子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/12/12
- メディア: 単行本
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「人脈レイヤー」をらせん状に上がっていくという外資コンサルらしい本で、明快に整理されている。
ビジネス上の人脈とプライベートな人脈っていう切り分けが成り立つのかって考えると、かなり自分が怖くなる本。
フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
- 作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: ハードカバー
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既に潤沢になったものをコントロールしようと気にするのはやめて、次の段階の稀少性に行こう!って本。
デジタル情報をコピーするコストは気にならないほど安いわけで、それをコントロールしようとするのは万有引力に逆らうようなものである。今まで当然のようにお金を払っていたものを無料にして違う部分に付加価値をつける、新しいビジネスモデルが描かれている。
アメリカ人の書くこういう系統の本は、新書慣れしたおれにはどうも冗長で大仰な感じがして苦手なんだけど(たとえば『フラット化する世界』なんかは途中で飽きてしまった)、この本はテンポもよくて一気に読みました。
会社はこれからどうなるのか
- 作者: 岩井克人
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2003/02/01
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法人名目説と法人実在説はどっちも成り立つ、っていう本。
そこをベースに、資本主義とか企業で働くっていうことについて、著者の考えを語っている。
『貨幣論』もおもしろかったんだけど、この本はとにかくおもしろくて一気に読みました。
おれはAmazonで中古で買って読んだけど、新書も出ているみたいです。
経済成長って何で必要なんだろう?
経済学については本やブログで読むばかりでちゃんと勉強したことがないので、そもそも経済学が前提としていることや、大雑把な歴史を他分野の人との対談で説明してくれる本でおもしろかったです。
個人的には、『経済ってそういうことだったのか会議』よりずっと明快ですっきりしました。
V字回復の経営
V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 三枝匡
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2006/04/01
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ちょうど働き出したころに読んだ小説(?)で、これからビジネスの世界でやっていくんだ!という高揚感を味わいました。
エリートとは「選ばれたもの」というよりも、「集団への責任を自覚した者たち」と解すべきなのだ。
は名言だと思います。
Joel on Software
- 作者: Joel Spolsky,青木靖
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2005/12/01
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ただ実践的なだけじゃなくて、プロジェクトでソフトウェア開発をする楽しさを感じさせてくれ、プログラマーへの憧れを膨らませてくれた本。
続編の『More Joel on Software』も出ており、そもそもwebでも翻訳がほとんど読めます。
Joel on Software -
Japanese - The Joel on Software Translation Project
はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
- 作者: デビッド・アレン,田口元
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2008/12/24
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忙しくしているわけでもなし、会社のPCからremember the milkにアクセスもできないので、GTDをちゃんと実践しているわけではないです。
ライフハック(笑)と言われる中で、GTDが目指すことはしっくりきました。
Gmail的にメールの受信ボックスを、新規受信(+ToDoでもいいと思う)にするだけで気分が全然違って、これは同期にもかなり布教した。
GTDと『「超」整理法―情報検索と発想の新システム』に書かれている押し出しファイリングを組み合わせると、コントロールすべきことをしっかりコントロールできている感を持てると思います。
伝わる・揺さぶる!文章を書く
- 作者: 山田ズーニー
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2001/11/01
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「豊かな表現力」っていう曖昧なものさしをゴールにするのではなくて、正直に誠実に自分のことを伝えることで、相手の心を動かす文章がいい文章であるという本。
題名が残念な感じなのがもったいないけど、今まで文章術の本を何冊か読んでも全然しっくりこなかっただけに、この本はうれしかったです。