ちょうど1年前、転職活動のまっただ中だった

転職が決まりもろもろの手続きが終わって、前職の人事と面談したときに、率直な退職理由のヒアリングを受けた。改めて答えようとすると、退職理由はたくさんあるような、一方では決定的な理由など何もなかった。結局、もっと若手をどう育てるのか戦略的に考えた方がいいよねという話で盛り上がり、現場で感じていた具体的なお願い事項をいくつかしてお茶を濁した。

いまになって考えてみると、端的にはロールモデルがいなかったというのが一番の理由だったと思う。
悩みに悩んで、転職先を最後に選んだ理由は、この人の下で働きたいと思う方がいるということだった。

  • エンタープライズの開発は好きだけど、大規模SIerを頂点としたいわゆるSIとは違うSIをしてみたい人
  • スーパープログラマーにはなれないことは分かっているけど、お客様の要件や課題を技術に近いところで働いて解決していきたい人

あれから1年が経ってみて、そういう人は外に出てみるのは、悪くない選択肢だと思う。
SE(笑)と思いがちだけど、いわゆるSE的な仕事がしっかりできる人に対する需要は、当然のことながら大きい。

会社を選ぶ基準

SIer的な会社のマッピングにはいろいろ軸があるのだろうけど、1つの観点として下記の3点が挙げられると考える。

①プライム案件比率と主要顧客の業界分散
いわゆる多重請負構造という話だけではなく、優れたツールを開発して提供したいか、それともそれを活用してSIをしたいかという話でもある
プライム比率が高いといっても、小さい会社の場合、ごく少数(極端な話1社とか)の顧客、または、特定のソリューションに売り上げの大半を依存しているケースもある


②常駐比率
コンサル的な仕事をしていると常駐がベターなタイミングは確かにある一方で、自社の都合で社員の時間を使えない制約は大きい
常駐するということは1社のユーザーの仕事に固定されることであり、1社に何年も継続して常駐するのであればそのユーザー企業の社員になった方がいいケースもあると思う


③自社開発比率(BP比率)
自分自身がコーディングするにせよしないにせよ、技術に近いところで仕事をしたければ、自社開発比率は一つの指標として重要だと思う

転職してみて

この人の下で働きたいと思った方が直属の上司で、日々叱られたりしつつも一緒に仕事をするのが充実しているというのはもちろんだけど、1万人くらいの会社から100人くらいの会社に転職してみて、それに加えていくつか思いがけない心地良さがあった。

  • 中途社員の多さ

会社立ち上げ時のメンバーに加えて、新卒も採っているのだけど、やはり中途がマジョリティ
そうすると、入社/退社どちらも当たり前だし、中途だからというやりづらさが一切ないのが心地よい。

  • 社外との交流の広さ

小さい会社なので、自社のリソースでできることにはどうしても限りがあり、他社との協業は必須となる
コミュニティで活躍している人が多いのも一因だと思われるけど、いろいろな会社にいって相談したりされたりする機会は圧倒的に多く、世界が広がっていくことを感じる
極端な話、前職での他部署との距離より、いまの会社で他社との距離感が近いようにすら感じる