2008年、印象に残った本10冊+α
今年は読書にそれなりの金と時間を費やした一年だったと思うので、記念に今年読んだ本(今年発売された本とは限らない)の中から印象に残った本10冊+αを記録しておこうと思います。
ちなみに、ものすごく興奮して読み出した『イノベーションのジレンマ』すら読破できなくて途中で止まっている僕が読んだ本なので、どの本もかなり読みやすいと思います。なので、興味を持たれた方がいたらよかったらぜひ読んでみてください。しかも結構売れた本が多いので、Amazonで中古で買えばかなり安く買える本もあると思います。
まずは+αの方から。 - ウェブ進化論、ウェブ時代をゆく
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
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ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/11/06
- メディア: 新書
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この本は2007年に読んだ本だけど、この2冊を読まなかったら、今みたいに読書が趣味として復活することも、テレビを見なくなることもなかったと思う。もしかしたらIT系の企業を就職先として考えることもなかったかもしれない。
梅田望夫さんの書く文章は、人を惹きつけ興奮させる力をものすごく持っていると思います。
この本を読んで、世界が違って見えるようになり、それから本やブログを溺れるように読み漁って梅田望夫さんの考え方に思いっきり浸った期間がしばらくあって。
それから(その期間がしばらくあったからこそだと思う)、「好きを貫く」よりも、もっと気分よく生きる方法 - 分裂勘違い君劇場に辿り着いたとき、もう1回世界が違って見えるようになった。
強烈な読書体験でした。
2008年、印象に残った本10冊
2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?
- 作者: 西村博之
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2007/06/29
- メディア: 新書
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2ちゃんねるの管理人、ひろゆき氏の本。梅田本とはわりと真逆を行く感じの、この人のインターネットや2ちゃんねる、世の中に対するスタンスや思い入れが伝わってくる。この人に対してなんとなく持っていた先入観は完全にくつがえされ、そして個人的にはすごくツボな考え方でした。
ちなみに本の題名「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」に対する答えは、あっさり最初の8ページで明かされます。
脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説
- 作者: 前野隆司
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/11
- メディア: 単行本
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僕が生物学を専攻していて一番興味を持っているのは、心とか意識というものはどういう仕組みになっているのか、進化の過程でどのように(それもわりと突然)獲得されたのか、ということです。
だったんですけど、この本を読んで眼から鱗が落ちるようにあっさり納得してしまいました。聞いたことのなかった仮説だったけど、どう考えてもおれはこれに違いないと思います。この本を読んで、就職しようとはっきり心が固まった(笑)
内容はおれが熱く語るより、人の「意識」は心の中心ではなく、脳の様々な活動のロガーに過ぎなかった! - 仙石浩明の日記がうまくまとめてらっしゃるのでぜひこちらをご参照ください。
進化しすぎた脳
進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)
- 作者: 池谷裕二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/01/19
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もともと中高生に対して行った講義の講義録らしいので、分かりやすくかかれていて、それでいて見事なまでに脳科学を俯瞰した本で、ワクワクしながら一気に読んだ。『脳はなぜ「心」を作ったのか』とも親和性が高いと思います。
ちなみにうちの先生はこの本の「発生・再生・再生医療」バージョンを書ける人だし、書くべき人だと勝手にすごく思っているけど、放っておいたら絶対にやってくださらないと思うので、どなたか偉くなってうちの先生に中高生向けの講義をするように依頼してください。ぜひ。
哲学的な何か、あと科学とか
- 作者: 飲茶
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2006/11/30
- メディア: 単行本
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ウェブサイトの哲学的な何か、あと科学とかを書籍化したものなので、ウェブでも読めます。ただ本のほうがはるかに読みやすいです。「難解な専門用語を使わない、“痛快テツガク入門”」ってふれこみだけど、まさにその通りでめちゃめちゃおもしろかったです。これを読んでから、一晩布団の中でもんもんと考え事をして、それから『脳はなぜ「心」を作ったのか』を読むと最高だと思います(笑)
したたかな生命
- 作者: 北野宏明,竹内薫
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/11/15
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システム論の観点から生命を理解しようとするシステムバイオロジーについて最初に解説しており、まずそこからして文章がうまい。そしてrobustness(P37「システムが、いろいろな撹乱に対してその機能を維持する能力」)という概念を飛行機の制御システムなどを例に説明し、その枠組みで癌や進化を考えている。
文章がうまく、異なる領域の知識を融合させて物事を考える醍醐味を存分に味わった1冊でした。
ラクをしないと成果は出ない
- 作者: 日垣隆
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2008/05/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ビジネス書(っていうんかな?)も結構読んだんですけど、個人的に一番しっくり来たのはこの本でした(次いで『ちょいデキ!』)。そしてこの人は文章がうまい。
ヤバい経済学
- 作者: スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー,望月衛
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/04/27
- メディア: 単行本
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Amazonの紹介ページから
不動産広告の「環境良好」の隠された意味って?
90年代のアメリカで犯罪が激減したのはなぜ?
勉強ができる子の親ってどんな人?銃とプール、危ないのはどっち?
力士は八百長なんてしない?
学校の先生はインチキなんてしない?
ヤクの売人がママと住んでるのはなぜ?
出会い系サイトの自己紹介はウソ?
それぞれの問いへのこの本の主張は、統計的に正しいのか議論があるみたいなんですけれども(そしてそれに対して自分なりの結論を出せないのが素人の悲しいところ。。)、とにかくおもしろかった。「politically incorrect(世間的によろしくない)」万歳!
スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学
- 作者: 吉本佳生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/09/14
- メディア: 単行本
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なぜスタバではショートと2倍多いグランデの価格差がたったの100円なのか?
といった実際に世の中で見られる一見不思議なことを、経済学の考え方を使って説明した1冊。
『ヤバい経済学』を読んでから経済学や会計学関係の、素人にも読める本にはまりました。『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い』『道路問題を解く』『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』なんかもめちゃめちゃおもしろかったけど、最初の方に読んだ本で、一番ワクワクしたのでこの1冊を。インセンティブという言葉さえも今年知った僕ですが、経済学は本当におもしろいですね。
最後の授業 ぼくの命があるうちに
- 作者: ランディパウシュ,ジェフリーザスロー,矢羽野薫
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2008/06/19
- メディア: 単行本
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この本は、youtubeか付属のDVDで講義を先に観るまでは決して読んではいけない。そして、youtubeでいいからこの「最後の授業」をぜひ見てみてほしいです(ただし1時間くらいあります)。今までぼくが見た中で、最高のプレゼンテーションです。
自分の小さな「箱」から脱出する方法
- 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2006/10/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本を読んで感動する人とくだらないと思う人の比率がどれくらいなのかはさっぱり分からないけれど、少なくともおれはこの本を読んで人生がまったく違って見えました。
この本と続編の『2日で人生が変わる「箱」の法則』は、『最後の授業 ぼくの命があるうちに』とそれから大好きな『ぼくらの七日間戦争』と一緒に、ずっと近くに置いておきます。
以上です。最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
読書は自己投資なのかはおれにはさっぱり分からないけれど、とにかく本を読むのは楽しくてしょうがないです。