夏休みのこと
毎年ライジングサンから帰ってくると、少し涼しくなって夏が終わり始めるのを感じたものです。
今年はライジングサンに行かなかったし、朝、寮から駅まで歩くときしか日光を浴びない生活を普段送っているけれど、やっぱり少し涼しくなってきたと今日感じました。
後輩たちが順調に大学院入試に合格していって、おめでとう!というのももちろんあるんだけど、率直な感想はこれからが楽しみ、というものです。
今日は6年間京都にいてまともに見たことがなかった送り火を見に行ってきました。
おれは実験が好きかはともかくとして、どうやらわりと研究が好きらしい。今日は研究室に遊びに行ったんだけど、やっぱりまずは最近のプログレスセミナーのレジュメを一通り見せてもらって、同期を質問攻めにして、そこが一番気になります。
この夏休みは久しぶりにちょっと本を読みました。
『単純な脳、複雑な「私」』
『心はプログラムできるか 人工生命で探る人類最後の謎』
『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』
『脳はあり合わせの材料から生まれた―それでもヒトの「アタマ」がうまく機能するわけ』
を読んで、今は今日ジュンク堂で買った
『経済成長って何で必要なんだろう?』
を読んでいます。
なかでも『単純な脳、複雑な「私」』はめちゃくちゃおもしろくて、1つは『脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説』を読んで以来ずっと興味があった「自由意志なんてものはない問題」に一つの方向性が示されていたことと、もう1つは人工生命(人口知能ではなく)と創発の話がおもしろかった。
単純な脳、複雑な「私」 動画特設サイトからいくつかおもしろい動画が見られるので、よかったら見てみてください。
せっかくプログラミングの勉強をしているんだから、なんとか仕事できるようになるだけじゃなくて、ラングトンの蟻みたいなのを読んだら、とりあえず自分でプログラムを書いて確認してみられるくらいにはなりたい。久しぶりにこんなにワクワクした。
この本は、『進化しすぎた脳』の続編的な位置づけで書かれているんだけど、池谷さんという人はまだ39歳で東大の薬学の準教授をしてらっしゃる。今日薬学系の先輩に聞いたら、やっぱり業界のホープらしい。
おれだって14年後には、こんな風に物語を語れる人になっていたい、とか考える。
サークルの数個下の後輩やバイトの後輩のうち何人かと話していていつも感じるのは、バランス感覚がよく見えるのです。
おれがもがいても分からないものをあっさりと持っているように見えて、真摯で、それでいて嫌味がかけらもなくて、それはおれが知っている他のどんな人たちとも違う気がする。
それは彼らが実際にそう人たちなのか、3つも4つも歳が下だと素直に見られる上に自分の相手をしてくれる後輩だからうれしいだけなのかは、正直分からない。
いずれにせよ、彼らがこれからどんなことに、どんな風に情熱を傾けていくのかが楽しみで、それから同世代とこれからどんな風に人間関係を続けていくのか楽しみです。
だからおれも、その時々におもしろいと思っていることを鬱陶しいほどに熱く語れる人でありたいし、自分との感覚の違いを楽しめるように物事に対する自分の視点や感覚を持っていきたいと、彼らはいつも思わせてくれます。
あとは、久しぶりに会っても、さり気なく、だけど時間をかけずに、パーソナルな話ができる雰囲気になるような話術を身に付けたいです。
今年の夏は、夏フェスにも海にも花火にも結局行かなかったけど、なんか少しだけ、これからどんな風に暮らしていきたいのかがちょっと分かった夏休みだったと思います。
来週の土曜はついにメトロにロボピッチャーを見に行きます!
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