頼りない天使/FISHMANS


10日中9日バイトという鬼のような日々も今日でめでたく終わり、最後の1時間はお客さんと話して終わって、キャンセルで残った和牛のすき焼き(単品5500円)をなんと連勤お疲れさまってことでまかないにいただいて、そのあと後輩につきあってもらって久々に行った店でケーキとビールで打ち上げをして、今家で一人フィッシュマンズを聴きながらビールを飲みなおしているのです。

明日もほんとくだらないとしかいいようがない就活のエントリーシートとか、プラナリアの世話とか、それからみやこ音楽祭とか、やることはいっぱいあるけど、とりあえず今晩は飲む!(笑)

だけどなんとか手に入れた今年の桜島(今年のは出来がいいと評判!)は一緒に開けようと後輩と約束しているから今日は開栓しません。

就活のセミナーで感じたこととか、このバイト連勤で感じたこととか、バイトの後輩がやめたこととかこれから立て続けにやめていくこととかは、明日ライブを見ながら整理するんだろうと思います。それなりに好きだけどめちゃめちゃテンションがあがるというわけではないアーティストのライブを一人でつったって見ながらいろいろ考える時間も最近ちょっと好きだったりするのです。



もう時効かなということでお酒の力も借りて懐かしく恥ずかしい話をするとします。


3年前、サークルの運営のまさに真っ只中、学祭のちょうど1週間前にサークルの先輩とおれと後輩と4人(男2女2)でレンタカーをして奈良に紅葉を見に行ったのです。

おれはそのときその後輩のことが好きで、男の先輩はたぶん女の先輩のことが好きだったのです。

4人で紅葉を見て、おれは古墳に登って係員に怒られて、法隆寺に行って後輩に高校生チケットを4枚買ってもらって入って、最後に行った寺でおれはトイレに行きたくてしょうがなくて、でも閉園時間が近くて決してトイレに行きたいなどと言える空気ではなくて走って回る先輩たちの後ろで「こうトイレに行きたくちゃ文化遺産なんか全然堪能できない」とか言って後輩と2人爆笑して、それからファミレスで4人で飯を食って、京都駅でレンタカーを返して先輩たちが帰らはったあと密かに2人で京都駅のクリスマスツリーを見に行ったりしたのです(笑)

そのとき男の先輩が運転して、女の先輩が助手席に座って、お父さんとお母さんとお兄ちゃんと妹みたいだとか言って4人ではしゃいでいたのです。そんなこともあったのです。


あれから丸3年。

そりゃ3年もあればいろんなことがあって、おれはその後輩と付き合って別れてバイトを始めてサークルフェスがあって、当たり前ですが今じゃあの頃のことなんて遠い昔の、でもやっぱり最高の思い出です。先輩たちもそれから半年くらい経って男の先輩が内定をもらって告白して付き合いだしたそうです。


あれから3年経ったけど、今年も学祭中に恒例のサークルのOB会がありました。

おれは今年の学祭にはほんとに一瞬も顔を出せなくて、まぁ最終日にバイトのあと1時半くらいから打ち上げに顔を出してビール1缶のつもりが案の定というか成長しないというか6時過ぎまでキャンプファイヤーの前でビールを飲みまくって、性懲りもなく、しなくていい話を後輩にして次の日2日酔いで吐きそうになりながら血液検査を受けたわけですが、まぁそんなことは一切関係なくてとにかくサークルのOB会があったのです。

その日は大阪に就活のセミナーに行っていてOB会には遅刻して行ったのですが、行くなり先輩がちょっと座りなよって言わはって、まぁ鈍いおれもさすがにその瞬間の空気ですべてを察してしまったのですがとりあえずリアクションを考える時間がほしかったので、他の久しぶりに会った人に話しかけに行こうとしたもののあえなく引きずり戻されたわけです。

「前4人で紅葉見に行ったの覚えてる?」って先輩は言ってくれて、「あの時お父さんとお母さんみたいだってみんなで言ってたの覚えてる?」ってそこから切り出してくれたのが本当にうれしくてうれしくて感動したのです。

案の定リアクション薄いって言われたけど(笑)



結局最後だったというフィッシュマンズのライブのCDのMCで「そしてまた来年も再来年もライブはまたやると思います。楽しみにしていてください。」って言って、「いろいろあるけどまた一からやりなおして10年くらい経ったら自分も変われるかなって思う」というようなことを言っているのです。

おれはだから、今だってサークルのこととかサークルで起こっているのであろう登場人物すら分からない様々な人間模様に思いを馳せるとき、ありとあらゆる感情が渦巻いてしょうがないのです。

おれがただ一つ願うことは、ただアホみたいに酒を飲んで酒に飲まれて、先輩の悪口ばっかり言ったりとか、あの子がかわいいとか、あの子とHだけしたいとか、そんな生産性なんてからきしない話をしていてほしいということ、ただそれだけです。

おれがいないところで楽しそうにおれの悪口ばっかり言って、それでおれと一緒に飲んでくれる後輩がいてくれたらそれは何よりも最高なのです。

おれは今だって自分自身が自分なりの形でサークルに確かな足跡を残したと勝手に思っていて、みんなはなんとも思っていないだろうけど自分にとってそれはもうそれで十二分で、そのサークルで今でも人と人が出会って一緒に音楽をしてお酒を飲んでしゃべって、うれしくて楽しくて悔しくてしんどくてさびしくて、それで別れたり別れなかったりしているのです。

そう、この世の中はめちゃめちゃすばらしいのです。



5月だからまだ先だけど、ご結婚本当におめでとうございます。