KAIKOOのこと

リストバンド交換の列を抜けて、会場に入って、階段を登っていったら海がキラキラしていて、その中で曽我部恵一バンドがはじまって、ああこれは来てよかったと確信した。あのステージにソカバンは似合ってた。

はじめて行くイベントの会場に入る瞬間がたまらない。


2010年4月11日、KAIKOO2日目は、気温の遷移や風すらも完璧であんなに我を忘れて楽しかった1日はないんじゃないかというくらい最高の1日だった。

日光の下でビールを飲みながら読んだ本の話なんかをしているだけで楽しかった。ちょっと酔っ払って、サイプレス上野とロベルト吉野をちょっとだけ見て、Sleepy.abSleepy.abは後輩に教えてもらってはじめて聴いて、心地よくて、最後の「ねむろ」は聴いて一気に好きになった。

念願の七尾旅人七尾旅人は誰よりもMCがうまくて、圧倒的なステージで、新曲を合唱して、そして「Rollin' Rollin'」。2010年が始まったころ、今年はなんとしてでもどこかで生でRollin' Rollin'を見たいって思って、そこからすべてが始まったんだ。

狭いテントに入ってあらかじめ決められた恋人たちへ環ROYを見る。「break boy in the dream」を歌う。

夕方になって、会場外の小さなステージでやけのはら。いきなり「ロックとロール」で、「DAY DREAMING」もめっちゃいい曲で、「自己嫌悪」という曲のカバーをしていて、最後は2回目の「Rollin' Rollin'」をみんなで合唱。楽しくて、うれしくて最高の瞬間だった。



トリはクラムボン、「シカゴ」をやってくれて、「あかり from HERE」はやっぱり良くて、それからアンコールで「みんなほんとにチケット取ってよかったよね」って言って「folklore」。海風が心地よくて、振り返ると海に浮かぶレインボーブリッジがきらきらしていた。

それから月島でもんじゃ焼きをキャッキャ言いながら食べて、歩いて帰って、ずっと泣きそうで、いつまでも帰ってしまうのが惜しかった。


2010年は素晴らしい時代のはじまりで、今年のKAIKOOはどう考えてもエポックメイキングなイベントになるよねって飲むたびに話していた。

だけど、それは根拠のない高揚感に過ぎないわけで、実際に何が始まるんだろうか?

iPhoneでFastweetLiveを立ち上げて、ハッシュタグを追いかけながらフェスを楽しむことが、新しい時代なんだろうか?


ついこの間までラップに対して何の興味もなかったおれがTwitterで友達に誘ってもらって、Twitterで後輩を誘ってKAIKOOに行った。4/5(月)のDJ BAKUのKAIKOO特集のdommuneを見ていて、おれはやっぱり音楽が好きだなと思った。イベントに行けば、ステージからちょっと離れて建物のテラスで、流れてくる音楽を聴きながらのんびりしたりする。

まぁそれは相変わらずだったり、別にTwitterで知らない人に話しかけたりはできないし、いやでもちょっとこれはTwitterがなかったらこうはなってなかったよねってこともあったり、そんな感じだけど、根拠のない高揚感は膨らんでいって、そして今年は絶対またライジングサンに行きたい。


等身大の自分をさらけ出して、好きな人に好きだと伝えて、ワクワクしながら、そして真摯に。