マネジメントについて

今年は、組織のマネジメントについて考えるきっかけになった1年だった。

100名以上常駐のお客様先で仕事をしていたこと、上司が2回替わり3人のスタイルがそれぞれ違ったこと、ETロボコンのチーム運営に苦しんだことが理由だと思う。


下記のプロセスを回すとする。
1. 方針を立てる(意識決定をする)
2. 目標を立てる
3. 施策を決める
4. 計画化する
5. 実行する(&計画を調整する)
6. 評価する

就職する前は、1-3がマネジメントの仕事であり課題解決だと考えていた。取り組むべき価値ある課題を見つけ、SMARTな目標を立てて、具体的かつ現実的な施策を決める。『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』に書かれているのはこの領域の話だと思う。

それは、学生時代に知っていた組織は、個人の能力やがんばりで物事が進む規模のもの、みんなが比較的同じ方向を向いるもの(研究室やバイト先、サークルなど)だったからだと思う。4-5は意識せずに進んでいき、6に至っては重要性を認識していなかった。


でも実際のところは、就職して企業に所属しても似たようなものだったりする。

期初には必ずその年の事業計画みたいなものを立てて共有しないといけないので、1〜3(2で終わっているケースもある)は進められる。

だけど、往々にして仕事というのは想定より忙しいものなので、スケジュールが立てられなかったり、担当がアサインされなかったりして4以降が進まず、期末には期初に立てた施策などなかったことになっていたりする(管理職がどう査定されているのか知らないけど)。


そんな中で、今年は、特に「5. 実行する」の重要性を学んだ1年だった。

「5. 実行する」はどうやったらうまく進められるのか?

戦略の現場化といったりもするみたいで、恐らくは当たり前のことを当たり前にやるしかないのだけど、当たり前のことを当たり前にやるのはとてもパワーがいることだ。

  • 主担当をByNameで決める(複数人を主担当するとボールの見合いが起こりがち)
  • 全員が腹落ち、納得するまで、背景や目的を説明する(マネジメントが矢面に立って自分の言葉で伝える)
  • 情報レベルを揃える(みんなが何となく知っていることでも定期的な全体発信が重要)
  • 定期的にしつこく言い続ける(上が言わなくなると、温度感が下がったのだと感じて怠けてしまうのなのだ。。)
  • 進捗や課題をフォローし続ける(例えば、メールの返信がない人にリマインドし続けて回収しきるとかいうレベルでも)


もう一つ、「人を育てる」ことについて。

システム開発では、最終的な仕様はドキュメントとして残っていても、その仕様になっている理由や経緯は当時のメンバーの暗黙知になっていることが多い。また大規模なシステムでは、後から入ったメンバーには全体感が掴みにくく、勘所が分からない。

去年の終わりから、大規模なシステムの保守にアサインされて、今年は育成される1年だった。

  • 生き字引みたいな人から、全体の概要や繋がりを説明してもらう(それを被育成者がドキュメントに起こしてレビューを受けるのがベター)
  • 育成主担当(「まずその人に聞いてよい」という人)を決めて、育成主担当の隣の席にする
  • 情報を流し、温度感を共有する
    • 外部とのメールのやり取りのCCに入れてもらう(メールが情報共有ツールとしてどうなのかというのは置いておいて。。)
    • 会議に同席させて議事録を書いてもらう
  • 矢面に立たせる(小さな規模のことでよいので任せて外部への説明まで果たしてもらう)
  • システム開発固有のことでいえば、アーキテクチャ(インフラ・ミドルウェア構成やフレームワーク)を知る(関係者が増え、横串の理解に繋がる)、シナリオテストのシナリオを読む

議事録でもなんでも成果物を作って説明するこが重要で、こんなことが「人を育てる」ために具体的にできることなのではないかと考えた。